アメリカで学べるスポーツに関連した専攻
スポーツ関連の専攻でアメリカの大学・大学院に留学したい場合は、将来どのような形でスポーツに関わりたいかによって進路先が見えてくるでしょう。大学生アスリートとしてアメリカにスポーツ留学する場合は前回の内容を参照していただいて、今回はそれ以外のアメリカ留学についてご紹介します。
スポーツ経営
将来スポーツにマネジメントやビジネスで関わりたいとお考えでしたら、スポーツ・マネジメントという専攻があります。日本ではまだ新しい分野ですが、アメリカでは昔から多くの大学が設置していて、主にアメリカのスポーツ産業の過去~現在の様々な事例を取り扱いながら、体系的に学ぶことができる人気の高い分野です。近年は海外からの留学生も増えています。
コースの内容は、ファイナンス・法律・マーケティング・メディア・施設管理やイベント運営・経営管理などを通じてスポーツ関連の経営全般を学びます。プロのスポーツリーグや大学スポーツ、オリンピックやコミュニティー・スポーツなど扱われる範囲は多岐にわたり、アメリカのスポーツ産業の組織やビジネスの構造、行政との関わりなどを学び、いかに社会とスポーツが密接に繋がっているかを理解することができます。卒業までにインターンシップ必修の大学も多く、スポーツ関連の組織で一定期間働くことで現場の経験を積みます。ビジネス(MBA)学部の中にスポーツ・マネジメントが組み込まれているプログラムもあります。
卒業後の進路は、プロチームや学校、競技統括団体、行政のスポーツ関連部門、スポーツイベント運営会社、スポーツメディア、スポーツアパレルなどがあります。業務内容は、セールス、マーケティング、PR、イベント、チームの運営などです。その他、スポーツ関連企業の事業戦略、人事、会計なども選択肢となるでしょう。
スポーツ医療関連
競技(チームやアスリート)に直接関わる仕事を目指す場合はスポーツ医療という分野への留学となります。
一般的に知られているのがアスレティック・トレーニングで、試合や練習とその前後にチームやアスリートに帯同し、怪我の予防、応急処置、リハビリなどをする仕事です。アメリカの大学(院)にはアスレティック・トレーニングという専攻があり、スポーツ生理学や解剖学、生物学などを履修して定められたインターンシップ時間を満たすと、トレーナー国家試験(NATA)の受験資格を得ることができます。この試験に合格してようやく公認のアスレティック・トレーナーとなり、学校やプロのスポーツチーム、行政や私設のスポーツセンターなどで働くことができます。日本からの留学生も少なくありません。実際のスポーツの現場でも「日本人トレーナーは丁寧でしっかりとした仕事をする」と評価が高く、NFLやMLBなどのプロスポーツ・チームや学校で働いている方々もいます。
ストレングス&コンディショニングもチームやアスリートにとって重要で、ストレングス&コンディショニング・コーチは選手のシーズン中やその前後の心肺能力、持久力、筋力の強化と維持のためのメニュー作りや実際のトレーニングを担当します。アスレティック・トレーニングのように専門の学部を経てから、NSCAなどの団体の資格を取得する必要があります。その後の進路は、チームやアスリートと契約をしたり、独立して自分の会社を設立する場合もあるようです。
アメリカでは他にもスポーツと関わっている分野がたくさんあります。スポーツ・マッサージ・セラピストになるには、専門プログラムを開設している大学で学び資格を取得します。スポーツ・ドクターは医学部を出て、試合や練習の際に発生する選手の怪我の手術や脳震盪などにも対応します。スポーツ心理学やスポーツ栄養学という専攻もあり、大学院で専門知識を学びインターンシップで実務経験を積んでから(場合によっては専門資格を取得して)スポーツの世界で働くことになります。
アメリカのスポーツ業界では様々な役割の重要性が社会的に認知されているため、環境や体制が整っています。将来スポーツに関連する仕事をしたい、あるいはアメリカのスポーツ業界に興味がある、という場合はアメリカへのスポーツ関連の留学も選択肢のひとつとなるでしょう。
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