今週から数回シリーズで、アメリカの高校留学についてご紹介します。
初回は、アメリカ高校留学のタイプについて。
実はこれまで高校留学といえば、アメリカは他の国よりも少し遅れている。そういう印象ありました。
例えばカナダは公立高校に留学生が入学できる利点。ニュージーランドやオーストラリアも留学生獲得に取り組んでいます。
でもここ数年アメリカも、高校留学に力をいれているのが見えてきました。
それではアメリカ高校留学のタイプをわかりやすく説明しましょう。
交換留学
これまでアメリカの高校留学といえば、交換留学です。
これは政府間の、交流プログラムの一つで、今、例えば日本の現役高校生が、1年間限定でアメリカの高校に在籍し、そのあとは日本の高校に戻るというタイプ。
アメリカ政府管轄のプログラムで、公立高校に入学=学費無料。ホームステイ=無料。かかる費用は、交換留学プログラムを運営する、アメリカの組織への参加料金のみ。
料金的に魅力的なのですが、滞在場所を選べない。田舎の場合も多いということ。また、申込みも最低でも1年前。このあたりが、難点。
公立高校学生ビザ(私費)留学
これに対し、公立高校への1年限定の私費留学(学生ビザ使用)が、可能になりました。
アメリカ政府が私費での学生も、交換留学と同じ1年限定であれば受け入れて良し。という方針に変わったためです。
ただ、すべての公立高校にいけるようになったということではないのですが、受け入れをする高校には、私費学生も入れます。期間は1年。
滞在はホームステイ会社などを探し、通常はホームステイ会社が、学校と提携してのパッケージプログラムを提供していたりします。
この場合ホームステイは有料です。ホームステイ代金と、未成年者をあずかるガーディアン(後見人)のサポートをつけるので、その分の料金をいれますと、1年間で費用としては200万円台から。利点としては、場所を選べる。
私立高校:ボーディングか通学型か
高校留学するならば、卒業までということになれば、学生ビザで私立高校への入学が方法となります。
私立の高校にも二つタイプがあり、私立の全寮制(ボーディングスクール)、私立の通学型の学校となります。
どちらも私立高校ですので、高校プログラムの質は皆良いです。
学費を払って私立の学校に入れる理由は、やはり教育の質。
環境的に大半の学生が大学進学するという状況。これに価値を置くわけです。
私立の場合には、多くが、Advanced Placement(AP)、International Baccalaureate (IB) など上級の学習プログラムが提供されている場合が多いのも、私立学校。APやIBは大学レベルと認定もされますので、(試験を受けたり、一定の成績を獲得していることが条件ですが)例えば大学に入学時に最初の1年の単位と振り替えられる、ということもあるわけです。
私立の学校の質の良さは理解していただけたとして、でもやはり問題は、費用ですよね。額面には幅があります。
ボーディングスクールは、寮の費用も含めてだいたい1年間で300万円から500万円ぐらいの幅。
通い型は、寮が無いわけですが、前述したようにホームステイ会社と提携していたり、あるいは高校側が地域に働きかけて、ホームステイを紹介する場合もあります。
いづれにしても有料です。学費とホームステイで、合計は平均して300万円ぐらいでしょうか。学費が安ければ合計料金はさがります。
学費についてはボーディングよりは低めである場合が多く、1年間100万円を切るところから、100万円台のところも探せます。
また通学型の場合には、都市型の高校も多いので、田舎はいやという場合には向いています。
都市であっても環境は良い場所を吟味しています。
もう一つの私立学校の利点は、ボーディングスクールで留学生をとるところはほとんどが、通い型でも半分以上は、語学講習を提供すること。
ここは公立高校にいくのとの違いです。
公立高校でも、交換留学を積極的に行っているところだと、ESLのサポートがありますが、でも独立した語学講習をもっているとなるとやはり私立にはおよびません。
ただ若い学生さんですから、語学の吸収も早いのは事実です。
1学期を頑張ればそのあとからは、聞き取りや話を問題なくできる学生さんも、多いかと思います。
予算と、学生の方の性格、環境を考えて、どのタイプの高校に進学するのがベストか、決定しましょう。