1年留学で何をするか

ここ最近、大学生の方の1年留学のお問い合わせが増えています。日本政府が打ち出すトビタテ奨学金や、日本の大学の中でも国際化、留学推進を打ち出している大学をグローバル、あるいはスーパーグローバル大学などとカテゴリー分けしていることもあり、日本人の海外留学や、海外留学生の受け入れを積極的に打ち出しているのが後押しをしているのでしょう。

話を元に戻して、日本の大学を1年休学しての海外留学をする方は、「1年しかないから限定されていることしかできない」ということではなく、「1年をいかに有効に過ごすか」というポジティブな思考で留学生活を充実したものにしてほしいのです。

1年も、やりかたによっては、凝縮したすばらしい1年になるのですから。

例えば当社が、ボストン郊外にあるセーラム大学への1年留学をサポートした、秀美さんの場合。
セーラム大学は、1年限定入学の彼女をNon-Degree:つまりセーラム大学での学位取得を目的としない、授業履修のみのステータスで受け入れてくださり、TOEFLが61をクリアしていた彼女は興味のある授業を履修させていただくことが可能となりました。

ただ彼女は語学講習もしっかりしたいという希望から、秋学期がはじまる数週間前の8月中旬からセーラム大学が実施しているブリッジ英語プログラムを2週間受講するところから留学生活を始めたのです。そのあとからは、正規授業を履修したり、英語も少しレベルの上のものを履修することで語学の向上に勤めました。

彼女の素晴らしいところは、大学生活で積極的に他の国からの留学生との交流を求め、さらに、大学の枠を超えた学生組織へも積極的に参加したこと。ボストンという国際色豊かな場所がら世界中から優秀な学生たちが集まってくるこのエリアには、あの世界の頭脳が集まるハーバード大学があります。彼女は今年、Harvard Project for Asian and International Relations (HPAIR)という学生組織のカンファレンスに参加し、ハーバード大学の寮に宿泊しながら、さまざまなバックグラウンドを持つ学生たちとワークショップやミーティングを通してアジアで起こっている議題を論議したのでした。

以下秀美さんの感想:

3日間、seminarとpanelの間に、coffee break が挟まれており、そこは友達を作る絶好の機会でした。
他の国から来ている学生が、どのようなモチベーションで学び、どのようなキャリアを目指しているのか、という話や、単純にその国の話をするのは、とても刺激的な体験でした。

インドからきた学生に、
「とにかく人に会って、その人の経験を聞くこと、勉強していることを聞くことは、自分のスキルアップのためにも、視野を広げるためにもすごく大事なことだ」と言われたり、

フィリピンからの学生に、
「一家の中で、大学に通っているのは僕だけだけど、そこで終わるんじゃなくて、マスター、博士号までとってはじめて家族で一番勉強させてもらったと言えると思う」と言われたり、

ここでしか出会えなかったであろう人々からたくさん大事なことを学んだような気がします。

参加者のほとんどが、修士に進むことを考えていたり、リーダーシップを取ることを日々の目標として生きていたり、圧倒される能力の高さと、世界のレベルの高さに感動しました。

一番学んだこと、また日本人に必要だと感じたことは、「質問する力」です。
参加者のする質問は、わかりやすく、また一歩も二歩も深く、それでいてユニークなものばかりでした。
日々いろいろなことに興味関心を持って学んでいるからこそできる質問なんだなと感じました。

3日間私はハーバードの寮に泊めさせていただいたので、ハーバードの学生がどのような感じなのかも触れることができました。
みなさんフレンドリーで、教養があるとはこのことか、と思いました。

次はフィリピンのデ・ラサール大学で開催するそうなので、
日本でのインターンの都合が会えばまた参加したいなと思います。

HPAIR学生会議のハーバード大学会場の様子
HPAIRハーバード大学会場の様子

最後に彼女はこう付け加えてくれました:
「感想を一言でまとめるならば、今後の人生に影響を与えるであろう素晴らしい経験をさせていただきました。」

1年留学も、人生に大きな影響をあたえる素晴らしい意義を与えてくれる可能性を秘めています。

1年を集約した素晴らしい1年にすることができるかは、あなた次第です。
頑張りましょう!