アメリカの大学院を出願することは、学士をすでに取得されている、まもなく取得するという方は、ぜひとも前向きに検討していただきたいと思います。最初にアメリカの留学は4年制大学への編入を検討中ということで話を伺ってみたところ、実は大学院への出願にしたほうが良いケースが結構あったりします。
大学院出願に適しているパターンは:
- すでに学士(4年制大学の学位)をもっているか、まもなく取得する。
- 留学で学びたい領域が学士の専攻と同様か似ている
- 大学院で学びたいことが文系やビジネスで、学士の専攻は必ずしも同じでなくともよい。
このような場合には、学士への編入よりも大学院への入学のほうが向いているケースが多いのです。同じことを学ぶのは同じ学位レベルではだめという米国の大学もありますので、これは考えてみればうなづける理由です。同じ専攻であるならば、もっとつっこんだことを学ぶべき、であるのですから。
では、学士と大学院の専攻が違う場合、あるいは、同じであっても、つっこんだ領域になるにあたり、事前に必須の科目を履修している必要がある、これを、Prerequisites(事前履修科目)といいます。Preというのは前にという意味もち、Requisitesというのは、必要である科目という意味で考えてほしい。
極端な例では、学士の専攻が文系であっても、Prerequisitesを履修しさえすれば、大学院は理系の分野でもOKな場合もあります。ここまで極端な例はあまりないのですが、例えば学士も理系、大学院も理系ではあるものの、学士の専攻が工学一般で、大学院の専攻がバイオメディカル工学である場合、生物系の科目を履修するのが事前にこなしてほしい前提であったりするわけです。
このPrerequisitesをどこで、どのように履修し終わるかが、留学生の大きな検討事項と言えます。
日本の学士の専攻と、留学する大学院の専攻分野が大きく違う場合には、まずは学士の関連分野で編入留学をしておいて、Prerequisitesを履修し終えた時点で、大学院留学に切り替える。この場合学士の学位を必ずしも取得、つまり卒業する必要はありません。すでに学士を日本でとっている時点で大学院へ出願する教育レベルは達しているので、目標はあくまでもPrerequisitesの履修達成です。
日本の学士の専攻と、留学する大学院の専攻が同じであっても、専門色が濃い専攻の場合(例えばアスレチックトレーニングなど)、Prerequisitesが細かに規定されているときがあります。数科目足りないとかいう場合には、さあ、どうするか?
- 日本にいながら、通信で必要科目を履修する。この選択肢も日本の通信でOKなのか、アメリカの大学でもオンラインで履修できるところもあるので、米国の大学にするか、検討する必要あります。
- 大学院によってはPrerequisitesが全部履修されていなくとも、とりあえず出願できるところもあるので、そういうところであれば、まず大学院に出願しPrerequisitesを履修し終わったら、大学院に上がれるという条件付き合格を取得して、同じ大学の学士レベルで事前必須科目を履修していく。
2番ができれば一番留学生にとっては理想的ですが、専攻と分野によっては、そうはいっても、基礎中の基礎のこの科目だけは出願前に履修していること、など、条件があったりします。
大学院進学の成功のカギは、出願時のリサーチに左右するといっても過言ではないのです。
Prerequisitesが履修できていないから、大学院に進学できないとあきらめることはしないでください。「何が必要なのか」をきっちり理解できれば、どのように履修するかを決めて、計画的に準備を進めていけばいいだけなのですから。留学で大学院を目指す場合には、同時進行でTOEFLやGREなどの勉強をしますので、それと同じ時期にPrerequisitesもちゃんとリサーチをして履修を進めていけば時間のロスもないはずですから。
計画が命です。
INTOのようなパスウェーといわれるプログラムに参加する利点としては、希望の大学院とプログラムより条件付きの合格を得て、まずはパスウェーのプログラムに所属し、Prerequisitesや基礎コースとして利用できる科目履修とGREやGMAT補強のコースを1学期から1年かけて履修していけるということです。このパスウェープログラムと提携しているアメリカの大学は、知名度の高い大学、大から中規模の州立大学、あるいは私立大学など、大学のサイズ、特徴もバラエティーに富んでいます。
パスウェーはプログラムごとにプログラム内容を吟味したうえで運営していますので、例えばパスウェーのMBAであるならば、期間中はビジネスの基礎を学び、今後MBAに進学するための準備をすることができます。履修した科目はファウンデーションコースとして大学院から認知されます。同時にGMATのコースも受けられ、期間中大学院入学をクリアする点数獲得のために勉強を進めることが可能となります。日本で自力で勉強するよりも現地に来てしまったほうが良いという方もおりますので、そういう方はこのパスウェーのプログラムも検討してみてください。
Prerequisitesは恐れるに足らず。けれど、リサーチと計画をたてて制覇していくものです。
大学院留学のPrerequisitesについて、パスウェープログラムについて、ご質問がありましたらお気軽にご相談ください。