アメリカ大学院出願:変わるGRE

東北関東大震災が発生してから1週間が経過しました。私の実家である岩手県や東北各地、東京近辺の人々は今だに不安な日々を送られています。一日も早い復興を心からお祈りしています。

私自身この状況下、何ができるのか考え続けています。

このような厳しい状況の中、希望を捨てず留学を志す皆さまから問い合わせをいただきました。このお問い合わせには私自身とても心を動かされました。留学アドバイスを仕事とする私は、留学に関する正しい情報やアドバイスを情熱をもって発信していくことが使命なのだと実感しました。

今もアメリカへ進学することを夢見て学び続ける皆様のために、今日から私もまたアメリカ留学の最新情報を更新させていただきます。

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今日ご紹介するのはアメリカの大学院へ進学希望の方ならば、通り抜けなければならない関門、Graduate Record Examination(GRE)についてです。多くの大学ではこのGREという試験で基準点に到達していることを要求しています。現在このGREは数学の部門と英語の語彙力を問うセクションに分かれています。現在という言い方をしたのは、このGREが8月から内容が少し変わるためです。

大きな変更点は:

  • これまでGRE試験はいったん回答して答えの内容を確認してしまった場合、内容を訂正したり、問いの内容がわからないからと次の問いへスキップしたりすることはできなかったのですが、これができるようになります。
  • コンピューターベースのGREでは数学のセクションで計算機機能が組み込まれます。
  • GREの試験時間が少し長くなり4時間程度になります。
  • 現在のGREは正当するたびに少しずづ問題が難しくなるように作られていますが、新しいGREは1セクション毎に質問が難しくなる仕組みになります。例えば、1セクション5問を全て正当の場合、次のセクションは少し難しい問題となるという形です。

日本人にとって一番重要な変化は、語彙のセクションのAnalogies とAntonymsがなくなり、これに代わって英文読解が導入されることです。Analogiesは1組の単語の組み合わせの関連性に1番近い単語の組み合わせを選ぶというもので、Antonymsは反意語を選ぶというものです。GREに出てくる単語はアメリカ人に言わせても難解で日常ほとんど使わないような言葉の連続です。しかしながら、GREの単語対策の参考書などを買って必死に勉強すれば暗記が得意な日本人にとっては越えられない壁ではなかったのです。

この単語問題が新しいGREから消えてしまうことは、日本人にとっては不利に働くのでしょうか?

一概にどちらが良い、悪いということは言えませんが、新しいGRE試験はアメリカの大学院で求められる力が要求されているというのが私の結論です。大学院生になれば、毎日相当量の読書が要求されてくるからです。実際に大学院生になって驚くより、今進学を目指しているうちに、この読解になれておくというのも大切なことではないかと思います。

それでも、これまでのGREの形に慣れており、勉強もこつこつ続けてきたという皆さん、7月までに受験をしてください。

ちなみに、新しいGRE受験者の回答傾向などの調査をするためなのでしょう。8月1日から9月30日までに受験をする方には50パーセントの受験料割引が適応されるとのことです。安いのが何よりという方は、お試しください。

アメリカの大学の中にはGREを課さないところもあります。しかしながら、やはり多くの大学はGREを出願書類の一つとしてあげ、新たにGREを課すことにした大学も増えていますので、良いGREの試験結果を持っているといないのとでは、大学院選択の幅に違いがでてくるということは言えます。