改めて条件付き合格について考えてみよう

アメリカの大学出願では、コンディショナルアクセプタンス(Conditional Acceptance)、あるいはコンディショナルアドミッション(Conditional Admission)つまり条件付き合格を出すという大学が少なからずあります。学生の方からも「条件付き合格を出すところはありますか?」という質問をされることも多いのですが、今日はこの「条件付き合格」について、その種類と内容をあらためてご説明したいと思います。

ひとことでコンディショナルアドミッションと言ってもいくつかタイプがあるのをご存知でしょうか?

留学生に対して用いられるコンディショナルアドミッションの意味としては:出願した大学に入学できるためのアカデミックな条件は満たしている。つまり高校の成績や大学の成績は入学条件を満たしている。ただし、留学生に課される、語学力のみが必要スコアに達していない。そのため:

「語学力が大学の指定するレベルに達すれば大学に入学できます」というコンディション=条件つきの合格ということです。

この英語力を大学の指定するレベルに達するためには、大きく分けて3つの方法があるといえます。

  1. 「条件付き入学とTOEFL/IELTS免除タイプ」大学附属の集中英語プログラムや、大学が提携している私立の語学学校に入学して、一定のレベルを終了すればTOEFLやIELTSのスコアなしでも次の学期から大学の本科生として入学できる。指定の語学プログラムに入学・修了することで試験は免除されるが通常一定期間の語学プログラムの在籍が必要となる。
  2. 「プレースメントテストタイプ」このタイプは、出願時にTOEFLやIELTSなどの英語試験のスコアを提出する必要のない出願となります。そのためアカデミック的なことが大学の指定する基準に満たしていれば、皆とりあえず合格できます。ただし、学期はじめに全員が学校が指定するプレースメントテストを受け、その試験結果により1学期から数学期を語学講習を受けることが必要になるというタイプ。トフルやIELTSのスコア提出がない事は良いのですが、逆に試験結果をある程度出している人もプレースメントテストに臨まねばならないということがあるので、ふたをあけてみないと語学講習が必要かどうかがわからないとも言えます。
  3. 「条件付き入学でもスコア提出義務」このタイプは、本科生として入学を認められるためには、必ずTOEFLやIELTSなどの最低基準点をクリアすることが必要であるということ。出願時には英語のスコア抜きの部分がその大学の合格に値するかどうかが審査され「英語のスコアがでれば合格できますよ」という保証としての条件付き合格の手紙を発行します。それでもいづれ英語の試験スコアを突破しないと大学に入学できないという事実は変わりませんが、この入学保証をえるということで、語学学校在籍中も安心して学業に臨めたり、また国によってはビザ申請の際に有利に働く場合があります(語学学校のあとの進学先が決まっているため

コンディショナルアドミッションは、英語のスコア以外の部分はうちの大学の合格基準を満たしています。「英語力がついたらうちにいらっしゃい」という正式なオファーをもらうという点では非常に安心できるシステムであると言えます。

有名大学でコンディショナルアドミッションを出すところは少ないのですが、最近は語学学校とのパスウェープログラムを提供しているトップ大学も複数あります。例えばボストンのノースイースタン大学や、フロリダのサウスフロリダ大学など競合大学もパスウェープログラムとうまいパートナーシップを結んでいます。このような有名校を狙う場合には、パスウェープログラム経由で条件付き合格をもらい、1年ぐらいをかけて有名大学の本科生なるプロセスを選択することも方法といえます。

パスウェープログラムの中には、語学講習のみでおわらず大学の基礎レベルの正規授業も履修しながら1年後には大学2年生に上がれるカリキュラムを組むところもあります。例えばINTOはサウスフロリダ、オレゴン州立、コロラド州立、さらにマーシャル大学とパスウェープログラムの提携をもち、4年制大学、大学院の双方でパスウェーを提供しています。また語学講習と同時に取得する授業は卒業を満たす単位として認められるという大きな利点を持っています。

コンディショナルアドミッションをうまく利用しつつアメリカ大学入学を実現させることも考えてみてください。